Webスクレイピングしてみた![EC価格/仕様調査]

Python

  最近更新がご無沙汰になってしまっていますが、その理由の大きな一つが「Webスクレイピングのお勉強」です。もともと会社員時代からデータ分析を得意としていましたが、その前段階である「データ収集」の効率的手段として、また収入を得る手段としてスクレイピングを学習してきたというわけです。なかなか簡単ではないですが、一通りの学習の成果でかなりスムーズにスクレイピングできるようになりました。

  せっかくなのでさらにスキルに磨きをかける意味でも、実用性を確認する意味でもWeスクレイピング実践成果を紹介してゆきたいと思っています。

  まずは、YahooShoppingでテレビの価格・仕様調査をやってみました。と言うのも、リビングのテレビが北京オリンピック時に購入した42インチのものでやや買い替え時なことがあります。また価格調査のプログラミングをひとつ作っておけば、他の電気製品などの価格仕様調査が容易になると考えたためです。

調査結果1:国内外全ブランド

  現在のテレビが42インチなので「50インチ~65インチ」で調べてみました。また画質も現状がハイビジョンなので一つ上の「4K」、価格帯はまずは10万円前後「80,000~120,000円」で見てみました。ざっと600件以上のデータが得られました。

  下の図が国内・海外全ブランドの結果です。見慣れないチャートですが箱ひげ図と呼ばれるものです。この場合は縦軸データに分布があることを示しています。横軸は50、55、65インチの区分を示します。60インチはないんですね。縦軸が価格ですが概ね黄色の箱の縦の範囲で価格分布し、真ん中あたりの横線は中央値、「X」マークが平均値を示しています。箱の上下に「ひげ」が見えますが、このひげの上端が最大値、下端が最小値を示しています。

  下の図から、50インチ~65インチまで価格に大きな違いがないことが分かります。

調査結果2:国内全ブランド vs 国外全ブランド

  次に国内/国外ブランド別に分けてみました。

  まずは国内ブランドです。ブランドの内訳は東芝・シャープ・パナソニックといったメジャーブランドからアイリスオーヤマと言った新興ブランドを含みます。

  国内ブランドに絞るとインチ数別に価格の違いがはっきりします。また、65インチの価格レンジが50、55インチに比べ狭く見えます。これは元々の検索条件で価格帯を「80,000~120,000円」に絞っているためと考えられます。つまり、国内ブランド65インチの価格帯は120,000円を超える範囲に多く分布していると推測できます。

  ちなみに65インチで9万円を下回るポイントがポツンとありますが「外れ値」と呼ばれるもので、分布全体の傾向から外れるものです。旧機種あるいは在庫一掃のための「特価」等と思われます。

  次に海外ブランドに絞ったチャートを見てみましょう。

  インチ別の価格差がほとんどないという意外な結果になりました。逆に言うと「65インチの大サイズでも海外ブランドなら50,55インチ並みの価格で買える」と言えます。

  下のグラフは縦軸を販売されている商品件数に置き換えたものです。(あくまで8万円~12万円の価格レンジに絞ったデータではありますが、)国内ブランド製品がインチ数が大きくなるほど件数が下がるのに対し、海外ブランドでは、あまり変化が見られず、65インチでは海外ブランドのほうが多い、という逆転現象が見られます。つまり、この価格レンジの65インチは海外ブランド製品が有力と言えそうです。

調査結果3:国内メジャーブランド vs 国内新興ブランド

  国内ブランドの中には東芝・シャープ・パナソニックといったメジャーブランド(下図中「Japanese A Brand」)からアイリスオーヤマといった新興ブランド(下図中「Japanese ABBrand」)も含まれます。価格分布を比較しますと、下図のようになります。

  見比べると非常に分かりやすいですね。メジャーブランドに対し、新興ブランド商品は低めに価格設定されています。新興ブランドの商品価格の中央値・平均値を見ると「10万円を切る価格の商品が売れ筋」と想像できます。

まとめ

  以上から、下記が言えそうです。

(1) インチサイズ別の価格差は意外に小さい
   ⇒ 大画面でも意外に高価ではない
   ⇒ インチサイズ以外のスペックにも要注意

(2) ブランドにこだわりなければ、新興ブランド・海外ブランドなら大画面でも低価格

(3) 65インチ以上に興味が湧いたらより高い価格帯を調査必要
   ⇒ 逆に言えば、55インチまでなら12万円あれば充分

  テレビに限りませんが、ECサイトにしろ実店舗にしろ膨大な品数の商品で溢れかえり、商品研究に大変な手間がかかります。かつては国内のメジャーブランドだけでしたが、今では海外ブランド、国内新興ブランドまで加わりとんでもなく多様です。

  また、大画面テレビはさほど高価な買い物ではありませんが、めったに壊れるモノではなく、また気軽に廃棄するには大きすぎます。ましてや、今やSDGsなメンタリティの我々にとって長い付き合いになりがちな商品です。そこでしっかり商品研究しておきたいところですが上述の通り、多様な商品群の研究に大変な手間がかかります。

  そこで今回のようなチャートがあれば、だいぶ情報整理が簡単です。私ならこんな手順で考えます。

(手順1) まずは国内メジャーブランド50インチの標準モデル(約9万円)とハイエンドモデル(約11万円越えの仕様の違いを確認、ハイエンドのスペックに自分が魅力を感じるか、必要性があるか判断する。

(手順2) 仮に「標準モデルで十分」と判断したら、部屋の設置スペースや圧迫感をイメージしながらインチサイズを決定。

(手順3) 上記までで各ブランドから各1機種、合計で数モデルに絞られます。数モデルの中からデザインなど好みに従って購入機種を選択します。(ちなみに私だったら国内メジャーブランド品を選びます。大画面テレビは消費電力200Wを超えるようなモノですので、多少高くても国内メジャーブランドのほうが安心感がありますので。)

  ちなみに55インチ以上では「液晶EL」方式というものも選択肢に入るようです。但し、やや高価です。高価なぶんより魅力的かというと微妙な感じがしています。ご興味があればこちらを参照ください

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