[バレーボールデータ分析][男子OQT2023 スロベニアチーム戦力分析]進化が止まらない日本に立ちはだかる不気味な影

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  セルビア戦、第3セットは少しドキドキでしたが勝ちきれましたね。しかし、男子日本代表は日々進化していますね。特に本ブログ筆者が欲しがってやまない(笑)「硬軟織り交ぜ、柔軟で多彩な攻撃」がしっかり定着した感があります。しかもそれは石川キャプテンにとどまらず、「剛腕」の印象強い西田選手までもが、手に入れつつあります。石川キャプテンに続く名選手への階段を着実に上っている感があります。

  「硬軟織り交ぜ、柔軟で多彩な攻撃」の成果は減少トレンドを続ける被ブロック本数に着実に表れています。山本選手の神業も見れましたし、昨日の試合は今後10回くらいは観そうです(笑)。今夜の試合が昨日の試合を超えるものになるともっと嬉しいですね。

  さて、日本は今夜、スロベニアと対戦します。先立って戦力分析します。本日、五輪出場決定の可能性云々の話もありますが、私は個人的にはさほど興味ありません。現在の男子日本代表にとって、五輪出場は通過点に過ぎず、ゴールはメダル獲得と考えるからです。そのためにも今夜、良い内容で勝たなければいけません。

出場選手予測

  スロベニアチームも、ここ2試合メンバーが流動的です。下表がその概要です(短時間の出場、得点5点未満など細かな選手交代は単純化のため不出場としました)。

  表の記載内容ですが「〇」が出場選手、「▽」は途中セットで退場した選手、「□」は途中セットから出場した選手です。数字はOH、OP、MB選手の得点数です。そして、「★」はレセプション参加選手を意味します。

  またスロベニアチームには、OH/OPの区分がしっくりきません。下表の色分け(黄色部分)の通り、19番の選手もOPと見るほうがすっきりします。OHはレセプションを担当し、OPは担当しないというイメージです。

  いったい誰が出てくるのか、予測は難しいのですが、次のように考えました。結論を先に書きますと「米国戦」の後半メンバーが最も有力と考えます。以下ではその前日の「エジプト戦」のチャートも参考までに掲載します。また時系列に従い、エジプト戦→米国戦の順序で掲載します。

  もっとも有力な「米国戦」の後半メンバーとは以下の通りです。

(1) セッター:5試合すべて出場の9番の選手
(2) リベロ :5試合すべて出場の13番の選手
(3) MB   :5試合すべて出場の2番、4番の選手
(4) OP   :20番の選手(19番と交代の可能性あり)
(5) OH   :直近2試合出場している18番、14番の選手

  ちなみにVNL2023でのこのチームのスコアラー順序は
     17番 > 18番 > 19番
です。ちなみに17番がキャプテンです。しかしながら、17番の選手はフィンランド戦、エジプト戦でアタック効果率が低迷し、米国戦では登録されていなかったようです。また20番の選手は、VNLではほとんど出場していないようで、秘密兵器的な存在かと思われます。

  繰り返しになりますが、米国戦後半メンバーが最有力と考えます。しかしながら、参考までに20番が登場する前のエジプト戦にも触れます。時系列に沿って「エジプト戦」「米国戦」の順番で説明させていただきます。以下、この2戦での各選手のパフォーマンスを見ていきます。

選手別のパフォーマンス分析

得点力

  エジプト戦、米国戦におけるスロベニアチーム各選手の得点力を見ていきます。例によって、バブルの重なりは凡例をクリックして解消できますので、よろしくお願いいたします。

エジプト戦です。スロベニアが3-1で勝利しています。

次に米国戦。スロベニアは1-3で今大会初の1敗を喫しています。

  エジプト戦とは全く違ったチャートになります。20番のバブルは2番のバブルの後ろに隠れています。凡例の2番の選手名をクリックすると2番のバブルを消すことができます。また各バブルにマウスで触れると詳細なデータが表示されます。ちなみにこの日の20番のアタック効果率は52.6%です!

  スロベニアが負けた試合ではありますが、おそらく20番を擁する米国戦後半の布陣で日本戦に臨んで来るかと思われます。20番は米国戦、第3セットから登場していますので打数が少なく、従って総得点も12点にとどまっています。しかし全セット出場していれば、単純計算で24点。日本にとっては大いに脅威となる戦力です。

  なお万一、今夜の20番が米国戦ほどの力を発揮できなくとも19番が後ろに控えています。

  また2人のMBの得点力が高いのも脅威ですね。

守備力

  各選手の守備力を見ていきます。

まずはエジプト戦。

米国戦です。

   注目すべきは20番が投入された米国戦のチャートです。チャートからは読み取れませんが、レセプションはほとんど、13番、14番、18番で受けています。この日普段はレセプションしない19番もレセプションしていますが8本のみで、20本以上受けている上記3名がメインと思われます。

  しかしそれでも19番のディグはこのチーム内では魅力的です。エジプト戦のチャートではなぜかバブル表示されていませんが、手元のexcelデータによるとディグを6本受けて5本上げています。米国戦ではレセプションとディグの合計で9本上げています。

  一方、20番は米国戦でレセプションゼロ、ディグも4本中1本上げたのみです。

  これが20番が今まで19番の陰に隠れ続けてきた理由なのかもしれません。従いまして、今夜の試合も19番がメインで、サブとして20番という位置づけになる可能性はあります。

  しかし、爆発的な得点能力を持つ20番の存在を日本チームは認識しておく必要はあります。

スロベニア戦の戦い方

  スロベニア戦はセルビア戦以上に不確定要素が大きいと思われます。スロベニアとはVNL2023で対戦し、ストレート勝ちしていますが、その時には登場しなかった20番がどのような働きを見せるか。ブロックやディグで抑え込めたら、米国戦で52.6%ものアタック効果率を叩き出せないと思われます。従って、20番の抑え込みには別のアプローチが必要と思われます。

  どうやら20番の弱点は守備にあるようです。日本のアタッカー陣は、20番を狙ったアタック、プッシュ、フェイントを徹底し、ディグエラーの山を築いてもらうと良いかもしれません。

  また、日本のサーバーは、コート前方にいるであろう彼の位置にサーブを落とすことを徹底すると良いかもしれませんね。

  さすがの彼も心が折れることでしょう(笑)。

  そして19番に交代した後は、19番をブロック・ディグで徹底マークし、アタック効果率を抑え込む。

  こんな感じでどうでしょう?

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