いやー、ボコボコにされましたね。しかしまだ、11日深夜に予定されているイタリア戦に勝利すれば銅メダルです。切り替えて、頑張って欲しいです
しかし、何故ここまでやられたんでしょう?セットカウント3-0で日本は1セットも20点に達することなく完敗でした。データで試合を振り返ってみたいと思います。
チームパフォーマンス比較分析
まずはチームとしての総力の比較です。最初は得点力です。
アタック打数では日本が上回りましたが、アタック効果率では圧倒されました。戦前の予想では「攻撃力では若干トルコが上でしょうか。」と申しましたが、全然違いました。後程考察したいと思います。
次に守備です。例によって、バブルの重なりは凡例をクリックして解消できますので、よろしくお願いいたします。
日本のレセプションが若干良いです。
次にサーブとブロックです。
サーブ(Serve Efficiency)、ブロック(Block Efficiency)ともにトルコが圧倒的にいいですね。バブルサイズはアタック効果率を表していますが、トルコのブロックで日本のアタックが抑え込まれた格好です。
選手別のパフォーマンス比較分析
得点力
下は選手別に得点力を分析したチャートです。比較のため、上に日本チーム、下にトルコチームのチャートを並べて掲載します。
差は歴然としていますね。日本は相変わらず、一人にトスを集め、恐らくそのことによって被ブロックも増え、結果、アタック効果率を抑え込まれているものと思われます。ちなみにこの日の日本の被ブロック数は13本で、アタックエラー(24本)の約半数です。
日本のアタック効果率への被ブロックの影響については、いずれシニアチームのデータで検証したいと思っています。
対して、トルコチームの攻撃の多彩なこと!なんと6番のセッターまでも7点をあげています。ちなみにこの日の日本のブロック本数は3本。これだけ多彩な攻撃をされると中々止めるのは難しいですね。
守備力
守備力について、上が日本チーム、下がトルコームの選手別守備力チャートです。トルコチームはこの日、レセプションに関してかなり個人差が出たようですね。この辺りつけ入るスキはなかったんでしょうか?
アタック効果率に大差がついたことについての考察
事前の分析ではここまで圧倒されるとは考えていませんでした。確かにこれまで無敗のチームではありますが、対戦相手は特に強豪のイメージはありませんし、日本が3-1で下した韓国にフルセットにもつれる苦戦を演じたチームでもあります。また、前記事で紹介したこれまでの試合の累計データを比較しても、日本が圧倒される感じではありませんでした。
日本・トルコチームのアタック効果率の変遷
しかし累計データの比較とは言い換えれば、平均値の比較です。各チームともに浮き沈みがあります。その点に着目したのが下のチャートです。
左が日本チームの、右がトルコチームの試合ごとのアタック効果率の変遷を示したチャートです。いずれも、
◇ 青い折れ線 :(チームの)アタック効果率
◇ オレンジの折れ線 :(チームの)被ブロック数(=相手チームのブロック得点)
です。青い線を見て分かることは、
☆ 日本チームのアタック効果率は、8/10トルコ戦が最低だった。
☆ トルコチームのアタック効果率は、8/10日本戦が最高だった。
ということです。つまり、昨日の試合は、「絶不調チーム vs 絶好調チーム」の者だったというわけです。
さらに前記事での分析の検証にもなっていますが、アタック効果率に大きな影響を与えているのが被ブロック数(相手チームのブロック得点)です。日本は米国戦と同じ被ブロック13本を浴びています。一方、トルコチームの被ブロック数は3本にとどまっています。
そのトルコも韓国戦では12本の被ブロックを浴び、アタック効果率も今大会、最低値を記録しています。それぞれの折れ線グラフの下に「アタック効果率・被ブロック数」の散布図を掲載しました。はっきり、負の相関が見えていますね。
試合を見ていて気付いたのですが、昨日のトルコチームは硬軟織り交ぜた、巧みな攻撃を実践していました。シニア含め、強打一辺倒になりがちな日本女子代表に対し、時にブロック上空を山なりに通過するようなアタックが印象的でした。2010年~2012年の日本女子代表、木村沙織選手が良く見せていたミラクルアタックです。海外の選手は木村沙織に学び、日本の選手は木村沙織を忘れてしまう、何と皮肉なことでしょう。(ちなみに石川祐希選手も木村沙織さんに学んでいると思われます。)
そのような賢い攻撃ゆえに被ブロックを避け、高いアタック効果率を実現したのが昨日のトルコチームだったと考えています。
昨日のトルコチームに学び、是非木村沙織流を逆輸入、イタリア戦をものにして銅メダルを持ち帰って欲しいと思います。
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