強敵フランスに勝ちましたね。大金星!かと思いきや、今回のフランスは調子が上がっていないようで現時点で1勝3敗のようです。日本男子はまだまだ、自分たちの力を過信することなく、大いに緊張感を維持して欲しいです。
ちなみに「緊張し過ぎず、試合を楽しむつもりで」とアスリートにアドバスする方もいらっしゃいますが、私は(アスリートとしてではないですが)自分の経験から、「力を出し切るには緊張が必要」と信じて疑いません。私は会社員時代、大勢の前でプレゼンするときなど、「緊張しろ!緊張しろ!」と自分に言い聞かせていたものです。すると心臓の鼓動が高鳴ると同時に、気合が入ってきて、背筋が伸び、「緊張はするけど、委縮はしない」状態になれます。
おそらく「緊張するな!」とアドバイスする人の本心は「委縮するな!」なのだろうと思います。今まさに、大舞台に立とうというアスリートに「緊張するな!」は無茶な注文ですよね(笑)。世の中には結構このような言葉選びの間違いがあるように思えています(笑)。
委縮することなく、良い意味で緊張していただろう日本は強豪フランスに快勝しました!
では、両チームのパフォーマンスを見ていきましょう。
日本・フランスチームのパフォーマンスについて
まずは、両チームの得点力です。
フランスのバブルが日本のバブルを覆ってしまっていますね。このような場合は凡例の「FRA(フランス)」をクリックしていただけますと一時的にフランスのバブルを消して日本のバブルを見ることができます。スマホでも同様です。スマホの場合、意図せずチャートに触りがちで、触ると表示が変化してしまいますが、更新すると元に戻ります。
アタック効果率は僅かにフランスが上回っていますが、アタック本数で上回る日本が総得点(アタック+ブロック+サーブ)で上回っています。
ちなみにバブルをクリックしますと詳細なデータが表示されますが、「総得点(アタック+ブロック+サーブ)」は「Total ABS_sum=68」というふうに表示されます。「ABS」はアタック、ブロック、サーブの略、「sum」はチームの総計であることを意味しています。
次に守備面です。
守備面では日本がサーブ・ディグ共に圧倒的に優位でしたね。レセプション+ディグ成功数でも10本以上の差をつけ、より多くの、またよりクオリティの高いトスをアタッカーに供給しただろうと解釈できます。
次にブロックとサーブです。
ブロックとサーブでは日本が上回っていますが、ブロックエラーは多いようですね。
選手別パフォーマンス分析(日本チーム)
選手別のパフォーマンスを見てゆきます。まずは日本選手です。
まずは攻撃面ですが、チームの雰囲気も「凄く良い」ですね。「日本男子バレーはいつの間にこんなに雰囲気のいいチームになったんだ?」と驚きました。この先、世界の強豪との対戦が楽しみになります。一人一人が活き活きしています。男子バレーが勢いづいたきっかけは、おそらく西田選手の加入が大きかったかと思います。セルビア戦で大活躍しましたが、この日はやや不調だったようですが、それでもこの日、自分に代わって大活躍した宮浦選手(同じオポジットとしてポジションを争うライバル)の活躍を喜ぶ姿はには深く感銘を受けました。チームの好調もさることながら、こんな選手の人格の高潔さ、男らしさ、がチームを明るくしてるのだろうと思われます。
データ面でもチャートを見ていてワクワクしますよね。オポジットの宮浦選手のアタック効果率がなんと75%! ミドルブロッカーか?まるで忍者のようでした(笑)。
そして14番石川キャプテン、12番高橋藍選手、10番高橋健太郎選手、2番小野寺選手、一人一人がしっかり仕事をしています。ここにこの日、不調だった1番西田選手が加われば、と思うと本当に期待できますね。
守備面でも守備の柱20番山本選手、高橋藍選手、石川キャプテンが安定感を見せつけています。
選手別パフォーマンス分析(フランスチーム)
フランスチームの攻撃面ですが、21番オポジットの選手が中心の攻撃陣ですが、個人的にうまいなと思ったのは7番のOH、ティリ選手です。日本の石川キャプテン、高橋藍選手も「器用でクレバー」な印象ですが、7番ティリ選手もそんな印象です。アタック効果率も57%とMB並みに高く、「セッターはもっとトスを供給すべきでは?」と疑問を持ちますが、その疑問に答えるのが次の守備面のチャートです。
次に守備面です。
レセプションを20番のリベロ、23番のOH、そして7番のティリ選手が分担しているようですが、7番のティリ選手以外の2人は不安定ですね。この傾向はポーランド戦でも見られた現象です。自ずとティリ選手の負担が大きく、結果として攻撃面でも力のあるティリ選手の打数が上がらず、と言った所と思われます。
以上が、日本vsフランス戦の分析ですが、一点気になることがある少し書きます。
[気になる。。]日本スポーツの頭脳面は海外依存?
近年日本のスポーツチームの監督やコーチが外国人というケースが少なくありません。カーリング女子で世界のトップ級の地位を築いたロコソラーレも(ヘッド?)チームコーチはジェームス・ダグラス・リンドさんというカナダ人、近年急速に力をつけ、世界トップ級にのし上がったバドミントンも日本代表監督は、韓国の朴さん、コーチには2名の外国中国出身の中島さん、マレーシア出身のタンさん、ジェレミーさんがいます。彼らのお陰で我々は日本人アスリートの活躍を見ることができるわけで、心から感謝です。カーリングにしろバドミントンにしろ日本は決して先進国ではなかったので、優れた外国人指導者の皆様に感謝しかありません。
しかし、バレーボール。日本では古くからの人気競技です。日本のスポーツスポーツ競技人口ランキングではサッカー、野球、陸上に次いで堂々たる第4位です。そんなメジャースポーツで監督がフランスのフィリップ・ブランさん。実はつい数日前まで気にしていなかったのですが、確かセルビア戦の実況解説を聞いていて、「日本代表で、分析・戦術を担当しているのは外国人監督・コーチ」「日本人監督(中垣内監督)はメンタル(鼓舞?)面を担当」と当たり前のことのように語られているのに驚きました。
私はバレーに限らずスポーツ観戦が趣味の一つなのですが、『世界トップ級の選手はいずれも頭が良い』と感心しています。逆に『頭は今いちだけど筋力で勝ててる』選手は見たことがありません。アスリートが『鍛えられた肉体』を持っているのは世界共通で、頭ひとつ抜け出すには『頭脳』が不可欠と思っています。
その頭脳とは2つあって、選手の頭の良さ、そして、監督・コーチ・トレーナー・セコンドと言ったスタッフの分析力・戦術策定能力・選手とのコミュニケーション力・動機付けスキル、などです。
頭の良い選手という意味では現在の日本男子はかなり恵まれている感じがします。伸び伸びした雰囲気の中で存分に頭の良さを発揮できている感じがします。「メンタル担当」という変な役割の監督がいなくなったせいでしょうか(笑)?
プラスして、短期的には戦術策定、そして富貴的にはチーム強化戦略策定がスタッフに与えられたミッションです。しかも選手らにそれらを説明し、納得させなければチームは回りません。そのコミュニケーションを含む大切な役割を日本語に難のある外国人が担っている。しかも、バレーボール関係者がさも当たり前のことのように語っている。何か根深い問題がありそうです。
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