カナダ戦勝ちましたね。世界ランキング16位と格下ですし、今大会もまだ1勝と低調なカナダにつまづくわけにはいきません。しっかり勝てて良かったです。そして今晩は昨日分析したキューバとの1戦。ここは世界ランキング13位と格下ながら、今大会、強豪ブラジルを破るという快挙を達成しています。強豪ブラジル戦への弾みをつけるためにも、確実に勝ちたい相手です。
そんなキューバ戦を今晩に控えながら、少し気が早いですが、ブラジルチームの戦力を日本チームと比較しながら、分析したいと思います。
ところで余談ですが、ブラジルは英語で「Brazil」ブラジルの公用語であるポルトガル語では「Brasil」ですが、国際規格ISOに基づく国名コードでは「BRA」が使われています。私はそこそこ良い年した大人ですが、未だにドキッとします。言うまでもないですが、女性用下着の略称と同じだからです。多分、思春期の少年たちなら私以上にドキッ!ドキッ!ドキッ!とするでしょう(笑)。
ブラジルの方たちはこのことをどう思ってるんだろうと長年気になっていましたが(笑)、ブラジルの公用語であるポルトガル語では女性用下着は「BRA」ではなく、「SUTIÃ(ソーチアーと発音)」と呼ばれているようです。ですので、自国の国名コードが女性用下着の略称と同じ、という意識はもともと無いようです。安心しました(笑)。
では気を取り直して、分析を進めます。
ブラジル戦力の対日本チーム比較分析
下は、これまで5試合のデータからのブラジルチーム各選手の戦力を示すチャートです。まずは得点力。例によって、バブルの重なりは凡例をクリックして解消できますので、よろしくお願いいたします。
同様に下がこれまで5試合の累計データから日本チーム各選手の得点力を示すチャートです。昨日キューバチームとの比較で用いたチャートにカナダ戦のデータを追加し、更新したものです。
まず、横軸のアタック効果率(Attack Efficiency)で比較しますと、(40%のラインを基準に見ると分かりやすいですが、)明らかに日本選手のバブルが全体に右寄りで、アタック効果率が高いことが分かります。つまり日本人選手の1本のアタックがブラジル選手のそれよりも、より「得点に繋がりやすい」、「失点しにくい」ことを意味します。用語の定義は過去記事「スタッツ(統計)データについて」をご参照ください。
縦軸のセット当たりのアタック打数(Attack Total/set)で比較しますと、(「6」のラインを基準にすると分かりやすいですが、)明らかに日本選手のバブルが全体に上寄りで、アタック打数が高いことが分かります。おそらく、守備力が高いため、アタッカーにより多くのトスが供給されるためと考えられます。この仮説は次の守備面のチャートで検証されます。
言うまでもありませんが、バブル位置が全体に右・上寄りである日本のアタッカー陣の得点力は、ブラジルチームのそれより高く、石川選手が5.2ポイント/set、高橋藍選手が3.9ポイント/set、西田選手が3.7ポイント/setです。ブラジルのエースと見られる18番の選手でも4.1ポイント/setですから、日本の攻撃陣の充実ぶりが際立ちます。
日本では「バレーと言えば女子バレー」という時代が長く続き、そのせいなのか「日本のバレーは守備のバレー」「攻撃力(アタック効果率)で見劣りする日本はしつこく拾って、より多くの打数で得点するしかない」と言われ続けてきました。ところが現在の日本男子バレーはブラジルチームの攻撃力にも勝る攻撃的チームになっているということです。凄いです!夢のようですね!
次にブラジルチーム各選手の守備力を示すチャートです。
比較のため日本チームの同様のチャートを掲載します。
感動しませんか(笑)?横軸のレセプション効果率(Reception Efficiency)は20%のラインを基準に日本チーム優位であることが確認できますが、縦軸のディグ効果率(Dig Efficiency)は基準も何も一目瞭然です。
攻撃力の充実に加えて、この圧倒的な守備力!
今回の戦力比較は日本男子チームにとって期待というハードルを大きく上げるものになっています。しかし、チームが頑張るほどに結果が出て、結果が出れば期待が膨らむ、期待が膨らめば自ずと重いプレッシャーがのしかかる。これはトップチームの運命であり試練です。それが嫌ならグータラに練習をして、だらしなく負け続け、ボトムに甘んじれば良いだけのこと。。。「トップ」「ボトム」どっちが良いんですかね?そりゃ「トップ」でしょ(笑)。
ちなみに日本の元アスリートが現役選手に「緊張せず、リラックスして、試合を楽しみなさい」のようなアドバイスしている場面を見ることがあります。その元アスリートって、現役時代に凄い成績を残した選手じゃなかったりします。逆に、例えば、日本人の記憶に深く刻まれた浅田真央さん。演技中にリラックスしてるように見えたでしょうか?彼女を応援する多くの日本人も彼女の試合中、ど緊張してませんでしたか?
「勝てば大きな見返りがある試合」なら「勝ちたい」と切望し、その想いが強い者ほど、勝利に向けてストイックに取り組んできた者ほど、鼓動が高鳴り緊張するのが自然です。そんな状態で最大の力を発揮するように人間はできています。現在の日本男子は今、そんないい状態にあるように見えます。
それだけに応援するほうも、緊張するし、ドキドキになりますが、夢が膨らむ日本男子バレーを全力で応援しましょう!
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