2連敗ということもあり、これから男子大会が始まることもあり、暗い話はサクッと終わらせようと思います。とは言え、良くも悪くも、「女子代表の伸びしろ」を感じさせる2試合でした。
トルコ戦の得点は、
ブラジル戦の得点は、
補足:ブラジル戦得点表の「計」欄に誤りがあったため修正しました(2023.10.02)。
トルコ戦第4setは圧倒された感がありますが、2試合ともランキング上位国に対し、よく健闘しました。とはいえ、負けは負けです。ランキングも現時点で9位とOQT前からさらに下落しました。
トス配分さえ改善すればブラジルに勝てた!
最初に言っておきますが、この記事はセッター個人を責めるものではありません、トス配分はバレーボール戦術の中でも極めて基本的で重要な位置を占めています。そのような重要事項をセッターという選手個人が決定すべきものではなく、チームとして決定すべきものです。試合中にもデータがベンチで収集されます。これを見ながらベンチからセッターに指示が送られ、最適トス配分が確保されるべきです。
しかし、トルコ戦/ブラジル戦ともに実際の日本のトス配分に合理性の欠片も見られません。まずは、下のチャートがトルコ戦のものです。
相変わらず古賀選手にトス集中してますよね。よりアタック効果率の高い井上選手により多くのトス配分をすべきでした。トス配分が適切でない結果、
① 得点効率が悪化する(25点を相手チームより早く獲得することを阻害)
② 相手チームはトス集中する古賀選手を重点マークすることで守備強化できる
敵に塩を送ってるようなものですね。
次にブラジル戦です。この試合は十分勝てる内容の『惜敗』だったのですが、こんなトス回しになっていました。あきれ果てます。アタック効果率が最も低い古賀選手に最多のトスを上げています。ため息が出ますね。
OHへのトス配分を改善すると獲得得点がどのように変わるのか、試算してみたのが下の表です。
まずは実績値の表です。上のチャートのバブルにマウスをあてるとデータが表示されます。下表と同じ値になっています。なお例によって、データはすべて公式サイトからのものです。
そして下表がアタック効果率の高い選手に打数を多く配分した場合のシュミレーションです。
トス配分を改善するだけで、この試合12点(54点-42点)も多く得点できたわけです。この試合の得点表を再掲します。日本の1~5セットの枠に12点が追加配分されたら、絶対にこの試合勝ちですよね。おそらく3-0で勝ち切っているのではないでしょうか?
(補足.上記12点は5セット前提での追加得点です。)
と言うわけで、眞鍋監督とスタッフさえ役割を果たせれば、日本は世界第3位のブラジルに勝てるチームなのです。現在ドミニカにも抜かれ世界ランキング9位の日本女子代表ですが、その内訳は、
選手・チーム :世界2位相当(ブラジルより上)
監督・スタッフ :世界XX位(ランク外かも)
パリ五輪に向けて一番頑張らないといけないのは監督・スタッフです。IT/データバレーを実践するだけのことなんですが、全然難しくないと思うんですが(笑)。
参考データ
最後に参考まで日本vsブラジル戦におけるブラジルチームの得点力チャートを掲載します。OHへのトス配分はアタック効果率の高い順に多くなっていますね。これが定石です。
今気づいたのですが、この日の日本のOHで最高のアタック効果率は林選手の57.14%。対して、ブラジルはガビ選手の27.66%。日本が負けたとは信じられないですよね。
これからは、「頑張れ、日本!」ではなく「頑張れ、眞鍋!」と応援しましょうか(笑)。
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