[バレーボールデータ分析][女子OQT2023] トルコvsプエルトリコ戦分析(今後の日本の対戦国研究として)

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  本日夜のプエルトリコ戦に先立ち、また、最大の難敵トルコの状況も気になり、両国の対戦データを分析してみます。

  先に言っておきますが一昨日の日本vsアルゼンチン以上にトルコの圧勝でした。もちろんセットカウントは3-0でした。

トルコvsプエルトリコ戦:両チームのパフォーマンス比較分析

  まずはチームとしての総力の比較です。最初は得点力です。

  アタック効果率(Attack Efficiency)、総得点共にトルコはプエルトリコを圧倒しました。トルコのバブルがチャートからはみ出すほどに下にあるのは、あまりにトルコのアタック効果率が高く、少ない打数で勝利に十分な得点が得られたためです。

  次に守備ですが、こちらも特にレセプション効果率(Reception Efficiency)に大きな差が出ています。実は最初プエルトリコのレセプション効果率が大幅にマイナスだったため、バブルが表示されていなかったのです。やむなくチャートを横軸マイナス側に広げ、プエルトリコのバブルを表示しています。

  次にサーブとブロックです。例によって、バブルの重なりは凡例をクリックして解消できますので、よろしくお願いいたします。

  サーブ(Serve Efficiency)・ブロック(Block Efficiency)ともにトルコが上回りました。

  以上、チーム比較の3つのチャートがこの試合がいかにあっけないものだったかを示しています。

トルコvsプエルトリコ戦:選手別のパフォーマンス比較分析

得点力

  まずはトルコチーム各選手の得点力分析です。

  最初グラフを見ながら、『99番、4番(メリッサ・バルガス選手)のOH2名、18番のMBは確かに素晴らしいのですが、一昨日の井上選手・宮部選手と比べるとやや普通(笑)な感じです。』と書いていたのですが、違和感を覚え見直しました。凡例には14番の選手が記載されているのですが、バブルが見当たらない。なんと14番の選手はアタック効果率100%でバブルがチャート外の場所にあったのです。やむなく暫定的にチャート範囲を広げました。

  やはりとんでもない攻撃力です。しかし、一昨日の井上選手・宮部選手に加え、和田選手が絡んでくるとそこそこ互角で戦えるのでは?と言う気もしてきます。

  以前の記事でも書きましたが、トルコはVNL2023(2023.05.30~07.24)以前、世界ランキングは7位のチームでした。日本と同等レベルだったのです。しかし、背番号4番のキューバ出身メリッサ・バルガス選手加入をきっかけに、一気に世界トップのチームに変貌しました。

  確かにメリッサ・バルガス選手は素晴らしい選手と思われますが、1人の力で7位から一気に1位まで駆け上がれるものでしょうか?「世界ランキング7位時代からの選手たちも自己変革した」と考えるのが普通ですよね。確かにきっかけはメリッサ・バルガス選手だったでしょうが、現在のトルコチームは一人一人が世界No1チームのメンバーとしてふさわしい存在になっているのではないかと思っています。

  メリッサ・バルガス選手のリーダーシップが他の選手にも感染し、トルコチーム内に『新しいバレーボールのリーダーズ』が出現したのではないかと推測しています。それまで世界ランキング7位のシャイなトルコチームメンバーが、『勝利への欲望』をためらうことなく剥き出しにしながら互いを高めあい、期待しあい、期待に応えあう、つまり『リーダーズ』に変貌していったのではないかと思えるのです。

  日本の組織においては普通はリーダーは一人です。つまり『リーダーズ』は存在しません。一人のリーダーが何でもかんでも責任を負わされ、なんとかチームメンバーを動かそうとしますが、メンバーは何も考えずリーダーの指示を待っている、それが日本の典型的組織像です。これが中々うまくいかないことを皆さんもご存じなのではないでしょうか(笑)?

  『リーダーズ』の体制なら、複数がチームの勝利のために自発的、自律的に考え、また互いの考えを察知、動きを読みながら協調的・尊重的にチームワークを発揮していく。あくまで全員が見つめる先は『勝利』であり、『勝利への欲望』をためらうことなく剥き出しにしながら、共有しています。目標を共有しているから、無駄な論争も衝突も起きない。次の瞬間にやるべきことに集中し、いち早く打開策を見出した『新しいリーダー』が行動を起こし、他のメンバーが追従する。そしてまた次の瞬間には別の『新しいリーダー』が自然発生し、次の行動を起こし、他メンバーをリーディングする。そんな連鎖が生まれるチームこそ一流のチームになれると思っています。

  日本女子代表も井上愛里沙選手、宮部藍梨選手を起爆剤として『新しい火の鳥リーダーズ』を生み出していければ、と妄想しながらこれを書いています(笑)。

  話が逸れましたが、プエルトリコチーム各選手の得点力チャートも掲載します。

  11番の選手が主力ですね。この試合のアタック効果率を見ると16番の選手にも目が行きますが、安定してパフォーマンスを発揮できる選手ではないようです。

守備力

  次に守備力です。トルコチーム各選手がこの日見せた守備力パフォーマンスです。思いっきりバブルが重なっていますが、例によって、必要に応じ、凡例をクリックして解消お願いします。

  ディグに関しては、4番、14番、そしてリベロの2番の選手が良いですね。レセプションはリベロと22番のOHが主に担当しているようです。

  次にプエルトリコチーム各選手の守備力パフォーマンスです。レセプションがかなり乱れていますね。リベロですらレセプション効果率マイナスです。

  トルコが如何に強いとは言え、プエルトリコはやや力不足な感が強いですね。

  日本代表としてはスカッと3-0で勝利し、チームをさらに勢いづける試合にしたいですね。万一にもフルセットとかは勘弁してほしいです。恐らくポイント面で、トルコ戦・ブラジル戦に至る前に、フルセット試合をやってしまうと不味いことになると思われます。トルコ戦・ブラジル戦は厳しい戦いが必至ですがその前に緊張感を切らしてしまう展開だけは避けてほしいものです。

  そろそろ今夜、正リベロと思しき西村選手と和田選手が本格的参戦でしょうか?この2人にも『新しい火の鳥リーダーズ』の素養が充分備わってるような気がします。

  最後の試合の動画を張っておきます。

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